【短編】隣の君に恋する瞬間


「矢野くん、黒板見えないくらい目悪いのに、なんでメガネかけないのー?」


矢野くんが授業中によく寝ていた理由が、まさか『目が悪くて黒板が見えないから』なんて。


なんだか、少し可愛いなんて思ってしまった。



「メガネ嫌なの?」


「…別に嫌って言うか」


「かければいいのに」


まぁ、ちょっと矢野くんがメガネかけてる姿なんて想像できないんだけど。


ちょっと面白そうだななんて興味本位で。



「俺、メガネかけたら首が痒くなって体中に発疹できるから」


「なにそのメガネアレルギーなんですって遠回しに言ってるつもりのやつ」


さっきは壊れたって言っていたじゃない。



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