【短編】隣の君に恋する瞬間
「…何」
……っ?!
「え、いや…」
まずい。
笑ってたのバレた?
矢野くんがまた眉間に皺を寄せて目を細めるので、体がガチッと固まる。
怒られる…。
「もしかしてこっち使いたかったのか?」
「へ?」
矢野くんはそう言って私がさっき貸したシャープペンを見せる。
「…え、いや…」
「これの方が相原っぽいもんな」
「えっ」
矢野くん…今…。
笑ってた?
「知ってるか?こいつ、もともとは犬がモデルなんだって」
「ん?」
…え、ちょ、矢野くんめっちゃしゃべるじゃん。
普通に喋るんだ…。
目つきは変わらないけど…。