【短編】隣の君に恋する瞬間
チョイスおかしくないか?
黒のシャープペンだって入ってるのに!
その時はそう思ったけど、今考えると矢野くんらしいなんて思えるようになっている。
移動教室の時は、矢野くんの学ランの胸ポケットからちょこんと顔を出したクマにまたクスッと笑えちゃったりして。
クマと矢野くんの日常を楽しんでいる自分がいたりする。
「おい、流星ー!なんだよそのクマー!」
移動教室中、私のグループの少し前を歩く矢野くんに別のクラスの男子が飛びついてから、ポケットに入ったシャープペンを見つけてからかうようにそう言った。