【短編】先輩を独り占めしたくて。


先輩、意外と気にしてることある。


「わかりました……じゃなくて、わかった。悠」

「それがいい」



離れようとしたあたしを、悠がぐいっと引っ張って、阻止した。

あたしは悠の腕の中にすっぽりハマって、そのまま脇に手を入れられて、持ち上げられた。


「わっ」


あぐらをかいていたのに、悠はさっとその足を崩して、足で『人』を描くようにしてから、その足の間に、あたしを入れた。

もちろん、向き合う形で。


「あ、あの……」

「近くて照れる」

「じ、じゃあ離して……!」

「やだ。好きなんだもん」


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