【短編】先輩を独り占めしたくて。
口のいい先輩が『こいつ』なんて呼ぶからには、きっと親しい間柄なのだろう。
眞鍋先輩もそれを自覚しているのか、にこにこと可愛らしい笑みで「そうなの」と言う。
「だから、悪いけど雪姫ちゃん。美里のことよろしく」
「……へ?」
てっきり先輩が眞鍋先輩の面倒を見ると思っていたのに……今なんて?
眞鍋先輩も「は?」と、意外だというように笑顔を引きつらせた。きっと、先輩についていくつもりだったんだ。
「無責任なんだけど……さっき、顧問の先生に呼ばれたから行かなきゃ。写真のこと教わるんなら、雪姫ちゃんでもいいだろ?」
「……あ、うん。モチロン」