【短】熟年愛
「そうなんだけど、さ。すぐに渡したかったんだ。本当は、0時までに。」


そう言って、目の前に差し出されたのは


明らかに誕生日プレゼント。


でも……


ほんのり期待してしまった、小さな箱では無い。


ふふっ。


ばかみたい。


婚約指輪かも、なんて。


「ありがとう。」




受け取った箱は、可愛くラッピングされている。



「あがって?」


彼を部屋の中へ促し、リビングへ向かう。


プレゼントを見つめながら。


なんだろ……。


……ケーキ?


丁度、ショートケーキが2ピース入るくらいの箱。




私は2人分の紅茶を入れ、ソファーに座る。


と同時に、床に直に座って居た彼が


私の隣に移動して来た。




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