【短】熟年愛
「開けないの?」


彼は急かす様に、箱を指差す。


「あ、うん。開けていい?」


私は箱を手に取り、リボンを解く。


箱を開けると……



キラキラとたくさんのビーズがあしらわれた


「……オルゴール?」


私の質問に、彼は“ふふっ”っと笑い


「そんなとこかな。お前の好きな曲だよ……開いてごらん?」


意外なプレゼントに、ついつい顔が緩んでしまう。


「ん……。」


オルゴールを軽く開くと、流れ始める私の大好きな曲。


私は彼を見て、ようやく笑顔を見せた。


「ありがとう。」


「ん?あ、ああ。」





なんだか動揺してる?


なんなの?


彼の態度を不思議に思いつつ、オルゴールに目を戻した。



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