言わなきゃわからない?
翌週の土曜。
由貴ちゃんと買い物に来ていた。
来月行われる、会社の創立記念パーティで着る服を探すため。

パーティが行われるのは、平日の夜。
仕事を定時で終わらせ、会場のちょっといいホテルへ移動しスタートする。

そう。
午前中は仕事。
まぁ、部署によっては午前中の仕事も適当に流すところもあるが。
うちの部署はそんなことないだろう。
夜のパーティのために、着替えを持参する人もいる。


「今年は着替えようって決めてたんです」


由貴ちゃんはかわいいワンピースを見ながら言う。
去年、初めて参加してすごくたのしかったらしい。


「相田さんはどうするんですか」

「んー。アクセサリー足すくらいかなぁ」


あたしは小物を物色する。
あ。靴はキラキラなものを持参しようかな。

由貴ちゃんと久しぶりに女子っぽい時間を過ごす。
お互いに、気に入ったものを購入したところでカフェに入った。


「当日がたのしみです」

「そうだね」


由貴ちゃんはテーブルに運ばれてきたパンケーキを撮影している。
あたしはそれを見ながらケーキにフォークを入れた。
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