言わなきゃわからない?
会社の入ってるビルの敷地内にはちょっとした広場がある。
近くのコンビニでビールとお菓子を買って、広場のベンチに座った。
少しずつあたたかくなってきた最近。
でも、夜はやっぱりまだ寒くてコートは手放せない。
「おつかれ」
「お疲れさまです」
ビールを開けて、缶を合わせる。
のど越しはいいけど。
やっぱり寒いかも。
ベンチに座ったまま足をパタパタさせる。
「寒い?」
「少し」
コンビニの袋から栄さんは肉まんを取り出し、あたしに差し出してきた。
「いいんですか」
「半分な」
一瞬、やさしいと思ってしまったのがくやしい。
差し出された肉まんを半分にして、栄さんに返す。
残った半分を口に入れた。
「おいし…っ」
「安上がりだな」
栄さんがあきれたように笑う。
こんなふうに話せるような関係になるなんて思わなかったなぁ。
栄さんと仕事で組むようになったのは4月から。
それまではあまり関わる機会がなかった。
いつも表情を変えなくて、隙がなさそうで。
こわいひとだと思っていた。
あ、今しかないな。
あたしは栄さんに隠していたことを切り出した。
近くのコンビニでビールとお菓子を買って、広場のベンチに座った。
少しずつあたたかくなってきた最近。
でも、夜はやっぱりまだ寒くてコートは手放せない。
「おつかれ」
「お疲れさまです」
ビールを開けて、缶を合わせる。
のど越しはいいけど。
やっぱり寒いかも。
ベンチに座ったまま足をパタパタさせる。
「寒い?」
「少し」
コンビニの袋から栄さんは肉まんを取り出し、あたしに差し出してきた。
「いいんですか」
「半分な」
一瞬、やさしいと思ってしまったのがくやしい。
差し出された肉まんを半分にして、栄さんに返す。
残った半分を口に入れた。
「おいし…っ」
「安上がりだな」
栄さんがあきれたように笑う。
こんなふうに話せるような関係になるなんて思わなかったなぁ。
栄さんと仕事で組むようになったのは4月から。
それまではあまり関わる機会がなかった。
いつも表情を変えなくて、隙がなさそうで。
こわいひとだと思っていた。
あ、今しかないな。
あたしは栄さんに隠していたことを切り出した。