あなたの空に向かって I Love You
「あんた誰よ! 邪魔しないでよ!」

「俺だ」

「え……たくや?」

「そうだ、たくやだ」

「…………嘘でしょ? 私をからかってるんでしょ?」

「嘘じゃない。俺の声を忘れたのか」

「忘れないよ。たくやの声だけどさ……」

「信じられない気持ちはわかる。だが、信じろ」

「…………」

「とりあえず、そこから降りるんだ」

「……う、うん」

「よし、それでいい」

「今、どこにいるの? 私の姿が見える場所にいるんでしょ?」

「どこにいるのかは言えない。とにかく落ち着いて、俺の話を聞け」

「う、うん……」

「俺は、ずっとるかを見守っている。いつでもるかを見守っている」

「見守ってるなら! 姿を見せてよ!」

「ごめん。それはできない」

「どうしてなの?」

「そういう決まりになっているからだ」

「訳わかんないよ」

「るかが死んだら、俺は悲しい」

「そんなこと言われたってさあ」

「辛いのはわかる。俺のせいで、ごめん」

「たくやが謝ることはないよ。私が弱いだけだもん」

「俺と逢いたいだろ?」

「逢いたい! 逢いたい! 今すぐ逢いたい!」

「なら、生きるんだ。そこから飛び降りて死んだら、二度と逢えなくなるぞ」

「…………」

「俺はずっと待ってる。ずっとるかを愛してるから。それじゃあな」

「たくや! たくや! たくや!」

 切れちゃった。

 ……………………。

 たくや……

 私……

 ごめん。
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