言えよ、俺が欲しいって。


「もし、相川じゃなくて、俺が白咲にキスしてたら白咲はどんな反応する?」



「なっ…」



ボボボッとあたしの顔が一気に赤くなる。

その顔を見て、七瀬くんはまた笑う。
本当にあたしで遊んでる!

こっちは、考えるだけでいっぱいいっぱいなのに…!



「まぁ、するわけないけどね」



「…しっ、してもいいですよ!」



あたしだって負けていられない。
七瀬くんのこと遊んでやるんだもん!

ドキドキと鳴る胸。
周りにはたくさんの人が弁当を食べてる最中だっていうのに。



「それより、お腹すいた」



あたしが頑張って言った言葉も、七瀬くんはなかったようにすぐ逸らしやがる。



「あっ、ごめんね。でもあたしが、起こしたんだよ?」



「なにその上から目線?別に起こしたわけじゃない。俺が自分で起きた」



あー言えばこういう。
さすがです、七瀬くん。
そういう所も、大好きだよ。世界一。

七瀬くんは椅子に座ってて、あたしは七瀬くんの前に立っているから。
こう見たら、あたしがどうしても上から目線になる。

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