言えよ、俺が欲しいって。





放課後。
七瀬くんと一緒に帰ろうと思いウキウキ気分でいたあたしに最悪な出来事が訪れました。



「白咲、お前今日居残りー」



「はいっ?」



超上機嫌でスクバを持ちながらスキップまでして七瀬くんの教室へ向かっていると、佐野先生とばったり遭遇。



「今日の朝の数学の小テスト。あの点数なに?」



0点なんてお前しかいなかったぞ。

そう言って、鼻で笑う佐野先生。


う、うそ…。あたし、0点だったの!?
解けたと思ってたのに!
空欄なしで全部書いたのに!



「う、嘘だ!」



「嘘じゃねーよ。俺からじゃなくて担任の先生からの命令。今日残りな」



うっそ…!!
七瀬くんと帰ろうと思ってたのに!
ついさっきまでルンルンだったのに!
気分一気にガタ落ち。


佐野先生は、口をあんぐり開けてるあたしにお構い無しで2枚のプリントを渡してきた。

今日の朝の小テストで出た、模試の過去問だ。
こんなの、解けるわけないっての。

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