言えよ、俺が欲しいって。
「あ、七瀬くんだ」
美結ちゃんが言ったその名前に反応して、あたしは瞬時に顔を上げる。
あ、やっぱりかっこいいな。
七瀬くんは、あたしに気づいていないのか、いやまず覚えてないのか、見向きもせずに横を通っていった。
「あのね、美結ちゃん」
「うん?」
あたしは、昨日あったことを全て美結ちゃんに話す。
七瀬くんと初めて話したこと。
好きだと言ったこと。
これから、猛アタックすること。
七瀬くんに、そのことで嫌いだと言われたこと。
話しているうちに、教室について美結ちゃんは口を開いた。