言えよ、俺が欲しいって。


「あのあたし…教室戻ってプリントしなきゃ」



「本当バカだな、モモって」



このクダリ、前もした気がする。
なにこれ、デジャヴ!?

バカじゃないもん、頭が弱いだけだもん!

ぷくぅっと頬をふくらませて相川くんを睨むけど、相川くんはフッと鼻で笑う。

それに…なんだか凄い優しい顔?



「頼むから、さ」



「……え?」



と、相川くんの手があたしの頭に回ったと思えばいきなりグイッと引っ張られてぽすっとあたしの頭が相川くんの胸に埋まる。


…な、なに!?



「頼むから、俺のこと好きになって」



ぎゅうっとキツイくらい強く抱きしめられる。

ドキドキと鼓動がうるさい。
どうしよう、だめなのに。
七瀬くん以外の人にドキドキしちゃだめなのに。

どうしよう。



「モモはいっつも七瀬ばっかりで。俺のことなんか見てねーことは自分が一番わかってる。でも、好きになったもんはどーしようもできねーんだよ」



痛いくらいにストレートに伝えてくる相川くんの言葉に涙が出そうになる。


本当に言ってるの?
相川くんって、あたしのこと好きなの?

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