言えよ、俺が欲しいって。
「信じれないよ…」
今まであたしをバカにしてたじゃん。
出会った頃から、あたしが七瀬くんを好きだって知ってたじゃん。
それなのに…今更あたしのことを好きなんて。そんなの、信じれるわけない。
「すき。モモが好き」
「っ、分かんないよ…」
あたしが好きなのは七瀬くん。
七瀬くん、1人だけだよ。
相川くんのことは友達としか思ってないのに。こんなこと、困るよ。
「相川くん、離してっ」
「やだ。ぜってー離さない」
やだよ、ここ廊下なのに。
自販機なのに。
誰か来たら困るんだから!
相川くんの気持ちだって…今更、迷惑なんだから。
あたしは必死にもがいて相川くんの胸をドンドン押して、相川くんから離れた。
「はぁ…ふぅ…」
「好きだよ」
さっきから何度も聞くそのセリフに一々心臓が跳ね上がる。
どうして、あたしなの。
あたし以外にもたくさんいるのに。