言えよ、俺が欲しいって。


「あのね、七瀬くん!今日さ、国語の授業でね…」



白咲は俺の隣でショコラを連れて口を開く。
ペラペラ何でも話が出てくる白咲の口。
こーいうとこ、素直に凄いなって思う。

俺は、白咲と違って無愛想だし人と話すのも得意ではない。

でも、それにしても。

なんだか今日の白咲は…。



「白咲」



「だからね、凄く」



「白咲」



1度名前を呼んだとき気づかなかったのか話を続けたけれど2度目は我に返ったように目を見開いて肩を揺らした。

……なに、この反応。

白咲は俺に、なにか隠してる。
しかも、俺に知られたくないこと。


白咲が隠し事なんて馬鹿だね。
俺相手に隠せるわけないのに。



「今日、いつもより喋るね」



「そ、そうかな?」



そうかな?じゃねーよ。
何隠してんだよ、白咲のくせに。

さっきから全く目が合わないし。
会ったときはあんなにキラキラしてたくせに。

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