言えよ、俺が欲しいって。
「なに?なんかあった?」
考え事して俺と目さえ合わないほど?
そんなに俺に知られたくないこと?
白咲に隠せるわけないじゃん。
どうしてだか自分でも分からないけれど、白咲のこともっと知りたいって思うようになった。
「何にもないよ!」
でも白咲は、笑ってはぐらかす。
はぐらかすくらいなら、俺に気づかれないようにすればいいのに。
ため息をついて、クゥを見る。
クゥの隣で歩くショコラ。
どっちも超短足。
まぁ、そこが可愛いんだけど。
そのショコラのリードを引っ張る白咲の顔を見ると、やっぱり変な顔。
「さっきから何なの、その顔。自分で誘っといて隣で辛気臭い顔するのやめてくれる?帰るよ?」
「…うん、そうだね」
…うわ、本当ムカつく。
白咲はさ、俺のことだけ考えてればいいんだよ。馬鹿だね。
白咲は俺のことが好きなんだから。