言えよ、俺が欲しいって。


「なに?なんかあった?」



考え事して俺と目さえ合わないほど?
そんなに俺に知られたくないこと?

白咲に隠せるわけないじゃん。

どうしてだか自分でも分からないけれど、白咲のこともっと知りたいって思うようになった。



「何にもないよ!」



でも白咲は、笑ってはぐらかす。
はぐらかすくらいなら、俺に気づかれないようにすればいいのに。

ため息をついて、クゥを見る。

クゥの隣で歩くショコラ。
どっちも超短足。
まぁ、そこが可愛いんだけど。

そのショコラのリードを引っ張る白咲の顔を見ると、やっぱり変な顔。



「さっきから何なの、その顔。自分で誘っといて隣で辛気臭い顔するのやめてくれる?帰るよ?」



「…うん、そうだね」



…うわ、本当ムカつく。

白咲はさ、俺のことだけ考えてればいいんだよ。馬鹿だね。

白咲は俺のことが好きなんだから。

< 118 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop