言えよ、俺が欲しいって。


「白咲、また相川のこと?」



そう言うと、ビクッと跳ね上がる肩。

あ、図星なんだ。
相川も懲りないやつ。

白咲のどこが気に入ったのか。
まぁ、それは俺もそうだけど。

多分俺は、好きというより気に入ってるのかもしれない。



「相川くんは…あたしのことが好きらしいです」



「へぇ」



「でも、肝心の七瀬くんはあたしのことなんか何とも思ってないです」



「うん。それで?」



「あたしは、これからどうすればいいの?」



白咲は、足を止めて俺の顔を見る。
あ、やっと目が合った。

自分のことを好きな人か。
自分が好きな人か。

白咲って案外ちゃんと考えてるんだ。
そんなことを思い心の中で関心。



「そんなの知らないよ。やりたいようにやればいいんじゃないの?俺には、関係ない」



だって、白咲自身の問題じゃん。
なんでそれを、俺に聞くの?

俺だけ好きでいればいいよ。
なんて言ってくれるとでも思った?

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