言えよ、俺が欲しいって。


「ねぇ、バカなの?白咲って、とことんバカだよね」



バカな上、めんどくさい。
うざい。うざすぎる。



「うっ、ごめんなさい」



「あーもう、めんどくさい」



朝から会うなんて本当ついてない。
俺は、白咲の歩幅に合わせて歩く。

別に白咲と一緒に登校して周りになんと言われ用が知ったことないけど、むしろ逆じゃない?

俺じゃなくて白咲が言われるんじゃない?
どーでもいいけど。



「白咲、俺といない方がいいと思うけど?」



でも、念のため。言ってはおく。



「え、なんで?」



「女子に何言われても知らないよ」



そう言うけど、白咲ってさ。やっぱりバカだから。俺が言ったこと分かってないみたい。バカだから。

もういいや。
白咲が何されたって俺には関係ないし。


俺はそれ以上何も言わずに、隣で歩く白咲に歩くスピードを合わせて学校に入った。

周りはやっぱりジロジロ見てくる。
この視線、嫌い。

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