言えよ、俺が欲しいって。


「南央、一緒に登校してきたの!?」



朝イチでうるさい大声で話しかけに来た三浦の足を踏む。



「いっ!!!」



「うるっさい。声でかい」



「ごめんごめん…それにしても痛すぎ!小指だったよ、今!」



その声がうるさいんだって。
三浦は、ニヤニヤした顔で俺を見る。
うわ、ムカつくこの顔。

なに?俺がそう言うと、三浦はドヤ顔。
それもまた腹立つ。
三浦も。白咲も。俺をイラつかせる天才だね。



「南央ってさ、白咲さんのこと好きなわけ?」



超キラキラした目で聞いてくるアホ。
やっぱり白咲と似てる三浦。



「はぁ…そんなわけないじゃん」



「ぜってー嘘だろ、それ」



なんでそうなんだよ。

そう思いながら、リュックに入っている教科書を全て机の中に入れる。

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