言えよ、俺が欲しいって。
あー、めんどくさいな。
内心そう思いつつ、三浦の顔が頭に浮かんでイライラしてきた。
多分、三浦の思い通りだろ、これが。
最悪。
教室に帰ったら、またあのニヤニヤ顔で俺を見てくるんだろ。
4階の空き教室について、扉を開けようとして止める。
中から話し声が聞こえる。
三浦が、女子に呼び出されたって言ってたから中には白咲と女子しかいないと思ってたけど。
違う。
聞こえるのは、白咲の声と男子の声。
「モモ、なんで避けんの」
「別にっ、避けてないよ」
聞こえるのは、そんな会話。
男は多分、相川。
「嘘つけ。俺が好きって言ったからだろ」
「……っ」
あ、そうなんだ。
相川って白咲に告白したんだ。
2人がどんな表情で、どんな距離で会話してるのか全くわからない。