言えよ、俺が欲しいって。


でも。何故か。



「…ムカつく」



三浦よりもムカつく。イライラする。
なんでかは分からないけれど。

俺は、中に入らずに歩き出した。
入れるわけないじゃん。
入る気もないし。

むしろ、なんでここまで来たんだっけ。
そんな感じ。

あー、もう。
全部三浦のせいだ。
そうだ、絶対に。


俺は、頭の中がグチャグチャのまま教室に戻った。


教室に戻ると、思った通り。
ニヤニヤしてる三浦が俺を待っていた。



「どうだった?」



どうだったも何も、最悪なんだけど。



「別に」



三浦には絶対に何も言わない。
これから何があってもこいつに何も言わない。
今、そう決めた。
勉強も教えてやんない。

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