言えよ、俺が欲しいって。

「でも、でもね。あたしは、七瀬くんが好きなんだよ」



何を思っていきなり家まで来てこんなことを言いに来たのか。
バカな白咲が考えることは本当分かんない。



「白咲、それ勘違いじゃない？」



俺ももう限界。
これ以上、白咲に構ってやるほど俺は優しくない。



「白咲が好きなのは俺じゃない。相川だろ」




知ってたでしょ？
俺は、こういう男だって。


白咲は目に涙を溜めて俺を見ている。

俺に、こんなこと言われてショック？

でもね、白咲。
俺は、そんなに甘くないよ。



「白咲は勘違いしてるんだよ」



「ちっ、ちがっ…」



「何が違うの？最近、相川の話ばっかりじゃん。白咲の頭の中は、相川しかいないでしょ」



我ながら最低だと思う。
今は違えど、俺のことを好きだと言ってくれた女に最低な言葉を投げかけている。