言えよ、俺が欲しいって。


白咲のことなんかどうも思ってないだとか。

嫌いだとか。

白咲の嫌なとこばかり見つければ、俺はすごい楽。



「関わらないでなんてっ…無理だよぉっ…」



子供みたいに泣きじゃくる白咲。
どんだけ泣くの?まじで。



「悪いけど、帰ってくれる?」



俺がそう言うと、白咲はショコラを連れて走って家を出て行った。

本当、騒がしいやつ。


何が正解なのか自分でも分かんないし。


なぜか心の中でそんな言い訳をつけてため息をする。

俺が入れたオレンジジュース一口も飲まないで帰った白咲。


ふと、白咲の座ってたところを見ると、床にピンが落ちていた。

シルバーの花がついているピン。



うわー…。最悪じゃん。
これ、渡しに行かなきゃいけないってこと?



今から連絡して、もう1度家に戻ってきてもらうか?

いや、でも…今どこだか分からないし。



あぁー、もういいや。

明日の朝にでも、直接渡そう。
それでもう1回言うんだ。


俺とはもう関わらないでって。

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