言えよ、俺が欲しいって。
*
そうと決まれば、即行動。
放課後あたしは、七瀬くんのいるであろう3組へ行った。
「あの、七瀬くんいますか?」
「七瀬なら、帰ったよー?」
男の子はそう言って、“もうちょっと早ければよかったね”と苦笑い。
…七瀬くんのバカ。
何しても、逃げられるじゃん。
あたしは、Uターンをして玄関へ向かう。
すると、今まさにローファーを履いている七瀬くんを見つけた。
「あ、七瀬くん!」
七瀬くんは、あたしへと視線を向けて嫌な顔をする。