言えよ、俺が欲しいって。


赤い顔をパチンッと叩いて目を瞑る。

思い浮かぶのは、他の誰でもない七瀬くんの顔。


好きだな…。


そう、再確認をしてあたしは教室から出た。



「桃華、どこ行ってたの?」



教室に着くなり、美結ちゃんが真顔で聞いてくる。
超真顔だよ。

しかも、先にご飯食べてるし!



「ううん…何にもないよ」



ニコッと笑って、美結ちゃんに気づかれないようにしたつもり。

でも美結ちゃんは、そんなあたしの下手な演技にも気づくくらい鋭いわけで。



「嘘だ」



「えっ」



「なんかあった顔じゃん。大体、おかしいんだよその顔。七瀬くんのとこならまだしも、違うでしょ?」



えっと…。

なんで分かるのかな、美結ちゃんは!


あたしのこと大好きでしょ、そうでしょ!

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