言えよ、俺が欲しいって。


「別にっ、何も無いよっ」



「いいから、話してみなよ?それで変わるかもしれないんだよ?」



「ぐっ…」



あたしは、美結ちゃんの押しに負けて全てを話した。


そのおかげで、少しスッキリした気がする。
話してよかったのかな。



「バカだよね、本当。相川くんもバカ」



話終わったあとのいきなりのバカの連発。

そんなに、バカバカ言うの!?


そりゃぁっ、美結ちゃんよりはバカかも知れないけどさっ。



「七瀬くんが可哀想だよ、ほんと」



「ど、どうして?」



「好きでもない女に勝手に好かれて付きまとわれてるのに、何故か勝手にライバル現れて、勝手に宣戦布告され、勝手にその相手に負けるかも…的な」



美結ちゃんの口から出た“勝手”。


た、確かにその通りです…。



「七瀬くん、あたしが慰めてこようかな」



「えっ?…な、七瀬くんはそんなんでヘコたれるような男の子じゃありません!」



「分かんないよ、そんなの。七瀬くんだって高校生男子なんだから」



またしても、美結ちゃんに何も言い返せない。

あれ?話して、スッキリしたはずなのに!

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