言えよ、俺が欲しいって。
「とーにーかーく!あんたは、七瀬のことだけ見てればいいんだよ?好きな男以外見ていてどうするの?」
「ちっ、ちが…あたしの視界に入ってくるんだよ!振ってるのに!そりゃぁ、もう、堂々と!」
「無視よ、無視!それか、早く七瀬に好きって言わせることね!」
七瀬くんに“好き”って言わせる…か。
あたしが初めて七瀬くんに振られた時に思ったことだ。
確かにそうだよね。
今思えば、そんな目標忘れてたかもしれない。
初心に戻って、もう1度七瀬くんにアタックしなきゃ。
そうでもしなきゃ、七瀬くんはあたしのこと見てくれないだろうし。
むしろ、もっとマイナス方向にいっちゃうんだもん。
「美結ちゃん、ありがとう」
「どういたしまして。油断しないでよ?」
ファンはたくさんいるんだから。
美結ちゃんはそう言った。
でもそれ、どっちのことを言ってるんだろう?
七瀬くん?それとも…相川くんのこと?