言えよ、俺が欲しいって。


学校が終わり、今日は早く帰って早く寝よう。

そんなことを思いながら教室を出ると、同じタイミングで教室から出た七瀬くんを遠くに発見!



「七瀬くん!」



結構大きめな声で言ったつもりなんだけど…。


七瀬くんにあたしの声が届かなかったのか、七瀬くんはそのままスタスタと歩いていく。

今、チャンスじゃない?
七瀬くんと一緒に帰れる!


そう思ったあたしは、何も考えずにひたすら七瀬くんの名前を呼びながら七瀬くんに向かって走った。


廊下走るなー!なんて先生の声は無視。



「な、七瀬くん!」



やっと追いついて、七瀬くんの名前を呼ぶけれど………無視ですか。



「な、七瀬くん…?」



あ、れ?なんで無視するんだろう?

七瀬くんの顔をチラッと見ると、いつもの七瀬くんとは全く違うくて。

いつもよりも倍以上の冷たい視線に思わずビクッと肩を震わせた。

< 153 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop