言えよ、俺が欲しいって。


「話してみな」



美結ちゃんにそう言われて、コクッと頷いて話し始める。

ついさっきあったこと。

昼休みに、美結ちゃんに言われたばかりなのに。
いざ、本人にたくさんのことを言われるとキツイものだ。

もう既に自信喪失。
これから先、やっていける気がしないんだよ。



「うーん、なんで怒ってるんだろうね?」



流石の美結ちゃんも、ここまでは分からないらしい。

昨日までは普通だったよ?
それに、今日は初めてあったのがさっきだもん。



「もしかして…先生に怒られて八つ当たり!?」



「本当、バカだね?七瀬くんがそんなことする人だと思う?」



…あ、たしかに。
いつ見ても不機嫌そうな顔してる人だ。



「分からないけど…でも」



美結ちゃんは、言いかけて止まる。

なに?でもの続きはなに?



「怒るってことは、桃華のこと意識してんのかな?」



「…へっ」



七瀬くんが、あたしのことを?
女の子として……意識?

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