言えよ、俺が欲しいって。

「うっそだ〜…だって、そんなこ…と…」



絶対ありえない。
あの七瀬くんだよ、ありえないよ。



「そんなこと言いながら、顔真っ赤ですけど、桃華さん？」



美結ちゃんにいじられる。

だって…。
今更そんなこと、無理だよ。恥ずかしいよ？


…期待しちゃうもん。

期待して違ったら、ショックなんだから。
美結ちゃんたら…そんなこと言わないでくれるかなぁ。


そんなことを思っても、心の中はやっぱり素直で。


あたしは、ニヤけてたらしい。
美結ちゃんに「気持ち悪い」と言われてしまった。



「あたしが言ってることが合ってるかは分からないんだからね？」



「はい…」



期待するだけ損だもん。
そんな期待なら、しないよ。