言えよ、俺が欲しいって。
「ちょっ…美結ちゃん!?」
「黙って走って!」
いいいいいったい、どこに行くの〜!?
美結ちゃんに引かれながら着いた場所は女子トイレ。
手洗場の所に美結ちゃんは、バッグから取り出したポーチを出す。
……へ?
気づくと、あたしの顔をペタペタしてる美結ちゃん。
「なにっ!?」
「ちょっと、動かないで。酷すぎるのよ、桃華の顔!」
こんなんじゃ、今日生きていけないよ。
そう一言付け足して美結ちゃんはあたしの顔をメイクする。
さすが美結ちゃんです。
手馴れてる。
「これでどうだ!」
超ハイスピードで出来たメイク。
目の前の鏡を見ると、あたし凄い光ってる。
すごい…!別人!
さっきまで目を腫らして化け物みたいだったのに〜!