言えよ、俺が欲しいって。
「もし放課後やってくれるなら、冷蔵庫に高いケーキあるけど?」
「えっ…もしや、最近出来たセレブしか入れないケーキ屋さんのですか!」
「そうだ。貰ったんだけど、俺甘いの苦手だし」
先生はそう言いながら、チラッとあたしを見る。
け、ケーキなんかに釣られるわけには…。
「どうする?他の人に頼むか?」
「やらせてください」
ケーキには勝てない。
むしろ、先生に一礼をしそうな勢い。
だってあそこのケーキ、高校生には高くて買えないんだもん。
美結ちゃんが彼氏に買ってもらって食べたことあるらしいんだけど、凄い美味しかったって言ってたし!
「じゃあ、放課後教室にいて」
「はーい!」
あたしは、ルンルン気分で職員室を出て外に向かう。
やった、ケーキだ!