言えよ、俺が欲しいって。


「モモ、帰ろーぜ」



相川くんのさりげない言葉が今は…とてつもなく嬉しく感じる。

なんでだか分からないけれど。


前までは本当に嫌だったのに。
一緒に帰ろうって。
なんだか凄く嬉しいし、ホッとする。



「…うん」



七瀬くんのこともあるから、気分は沈んだままで。



「手に持ってるのなに?」



相川くんは、あたしが持っているケーキを指さしてそう言った。

さっき先生に貰ったケーキ。
めちゃくちゃ高いケーキだ。



「ケーキだよ。先生に貰ったの」



「俺、甘いの苦手」



よくそんなもん食えるな。

相川くんはそう言う。


別にいいでしょ、あたしが何を好きだって!!
ケーキをバカにするなんて許さないんだから!

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