言えよ、俺が欲しいって。
下駄箱について、ローファーに履き替える。
隣を見ると、相川くん。
「…」
本当は…。
七瀬くんがいつも隣にいるはずなんだけど。
もう、夏。
外も暑い。
夏服に移行する人もチラホラ。
夏までに七瀬くんに告白されるって言ってたあたしはどこいったんだろう。
「モモ!」
「え?」
ゴンッ!!!
頭に強い衝撃。
……え!!??
「いったい…!」
額に手を当てて目を開けると、目の前に電柱。
うそ…!全然気づかなかった…!
「本当に電柱にぶつかるやつっているんだな…くくっ」
お腹を抱えて笑う相川くんを睨む。