言えよ、俺が欲しいって。


「七瀬くんじゃなくて、相川くんにすれば?」



「……へ?」



美結ちゃんの言葉に、箸で掴んでいたウィンナーを弁当箱の中に落としてしまった。

み、美結ちゃんなら。


他の男なんか見ずに、七瀬くんだけを好きでいなさいよ!


って言うと思ってたのに。



「どうしたの?」



「う、ううん。そうだよね」



そう……なんだよね。
相川くんを好きになればいいんだよね。



昨日から、何なの本当に。

相川くんといてドキドキしてた自分がいたくせに。


今日は、美結ちゃんに七瀬くんじゃなくて相川くんを勧められてショックを受けてる自分がいる。


止めてほしかったのかな、あたしは。
美結ちゃんに、七瀬くんにしとけって言われたかったのかな。

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