言えよ、俺が欲しいって。
美結ちゃんをチラッと見ると、めちゃくちゃニヤニヤしてる…。
「桃華、あたし先いくね」
「えっ」
美結ちゃんはそう言って、あたしの返事も聞かずに行ってしまった。
う、うそー!!!
美結ちゃんのバカ!薄情者!
なんでこの状況であたしを置いてくの!?
緊張でお腹が痛くなってきてご飯が食べれそうにもない。
…もう、最悪だよ。
「モモ、食べねーの?」
「お腹痛くて…」
まぁ、ほとんど相川くんが原因なんだけどね?
そんな事言うと怒られるから心の中にしまっておくけども。
「じゃ、俺食べていい?」
「えっ?」
相川くんは、あたしの膝の上に乗っている弁当箱を手に取った。