言えよ、俺が欲しいって。
足の長い七瀬くんと比べるとめちゃくちゃ歩くのが遅いあたしは、必死に七瀬くんの隣をキープする。
「七瀬くん、今から自己紹介するね!」
全然、会話が思い浮かばないからとりあえずあたしの自己紹介であたしのことを知ってもらう作戦。
「8組の白咲桃華です。得意教科は家庭!苦手教科は、数学です。あ、でも最近成績伸びてきてるんだよ!」
「……」
明るく振舞っても、七瀬くんからの応答なし。
「七瀬くんは、頭いいんだよね?」
「へー」
え?なにその返事!