言えよ、俺が欲しいって。


「明日、花火大会あんじゃん?」



三浦の口から出た、“花火大会”に少し反応する。


反応した俺を見逃さなかった三浦が、いきなりニヤニヤし出した。


うわ、最悪。



「南央、誰と行くんだよ?」



「は?行かないけど」



三浦に知られたら面倒だ。

いや、面倒ってことでもないんだけど、たくさん質問攻めにもされるし本当嫌だ。



俺は三浦に、行かないの一点張りでどうにかその場をやり過ごした。



「三浦は、明日行くんだ?」



「相手いねーから、どうしようか迷ってんの」



あー、かわいそうに。

まぁ、俺も人のこと言えないんだけど。
白咲が誘ってくれなかったら三浦みたいに1人だったし。

いやまず、行こうとは思わないけど。

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