言えよ、俺が欲しいって。


「離れられると困るから。離さないで」



「っ、」



白咲の手をギュッと握る。

白咲の手は、想像通りめちゃくちゃ小さくて。


……なにこの、ちっちゃい手。


白咲が今、どんな思いをしてんのか知んないけど……。



「はぁ……」



ちょっとは、こっちの身にもなってよ。



「七瀬くん……好きです」



小さい声で、でも俺に聞こえる大きさで。



「いきなりなに?」



「思ったから言いました」



本当、白咲って素直すぎて嫌になる。

白咲を見ていると、自分が嫌になってくる。

< 207 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop