言えよ、俺が欲しいって。


「モモ?」



「相川くん……」



出た、相川。
こんな所で会うなんて、最悪。


俺の中の相川の印象は。

すぐにキスするやつ。


結構前、白咲が相川にキスされて号泣してたのを思い出した。



「七瀬と来てんだ?」



ジロッと睨まれる。

誘ったのは俺じゃないよ、相川。




「モモが、なんでこんなやつが好きなのか分からない」



「なっ……」



「俺の方が絶対モモを幸せにできる」



相川のセリフにカァァッとみるみるうちに顔が赤くなる白咲。

よくそんなこと言える、俺に勝てないくせに。



「だから、なに?」



何故か勝手に口が動いて、気づくとそう言ってた。



「白咲が好きなのは、俺なんだよ。さっさと諦めればいいのに。相川くんは俺に勝てないよ」



勝てない、絶対に。

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