言えよ、俺が欲しいって。
「適当なこと言うな」
白咲といい、相川といい、三浦といい、なんで俺の周りにはバカしかいないんだろう。
疲れる。本当に。
「あ、相川くんは誰と来てるの?」
白咲も白咲だ。
俺がいる前で相川と話し始める?普通。
「友達」
「あっ、そうなんだー」
俺はだんだんイライラしてきて、自然に繋いでいた手も離した。
「七瀬くん……?」
全部白咲のせいだよ、バカ。
俺は、2人に何も言わずに白咲を置いて歩き出した。
後ろから白咲の、名前を呼ぶ声が聞こえるけど、この人混みの中白咲が俺に追いつくわけがない。