言えよ、俺が欲しいって。
だから、嫌いなんだ。
白咲なんて。
「あれ、南央?」
偶然会ってしまった三浦。
「やっぱり来てんじゃん、お前!今、1人?」
「置いてきた」
“なんだよ、それ”と言って苦笑いする三浦の隣には1人の女子。
三浦って、彼女いたんだ。
だったら昨日、あんな言い方しなくてもよかったのに。
「三浦は彼女とデート?よかったね」
「はっ!?彼女じゃねーし!」
三浦とその彼女は顔を真っ赤にする。
もしかして、まだ付き合ってない?
……でも、そんな事どうでもいい。
「邪魔しちゃ悪いし、行く」
「ちょっ……まてよ、南央」
パシッと腕を掴まれて三浦に捕まる。
なんなんだよ、ほんと。
三浦は、彼女に“先言ってて”と言うと、俺を人が少ない場所へ連れてきた。