言えよ、俺が欲しいって。
「南央、どうしたんだよその顔?」
「なにが?」
「泣きそうな顔してんぞ?」
三浦が言うことなんて、嘘に決まってる。
俺は、三浦を無視した。
「実は、さっき白咲さんと歩く南央みかけてたんだよね。何かあった?」
三浦に言ってもどうにもならないだろ。
「やっぱり、白咲さんのことで悩んでんだろ?」
別に悩んでない。
ってそう思うけど、自分の本当の気持ちが分からなくなってきた。自信が無い。
「南央は多分、白咲さんのことが好きなんだよ」
「いや、それはないわ、マジで」
それだけは有り得ないと思う。
だって、今だってこんなにムカついてる。