言えよ、俺が欲しいって。


「南央、どうしたんだよその顔?」



「なにが?」



「泣きそうな顔してんぞ?」



三浦が言うことなんて、嘘に決まってる。

俺は、三浦を無視した。



「実は、さっき白咲さんと歩く南央みかけてたんだよね。何かあった?」



三浦に言ってもどうにもならないだろ。



「やっぱり、白咲さんのことで悩んでんだろ?」



別に悩んでない。


ってそう思うけど、自分の本当の気持ちが分からなくなってきた。自信が無い。



「南央は多分、白咲さんのことが好きなんだよ」



「いや、それはないわ、マジで」



それだけは有り得ないと思う。

だって、今だってこんなにムカついてる。

< 213 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop