言えよ、俺が欲しいって。


ホッとしているってことは、白咲に向けて新しい気持ちがあることは事実らしい。


ちょっと悔しいような。
なんだか、不思議な気分。



「七瀬くん……ヤキモチ妬いてる?」



だから、白咲からこんなこと聞かれるなんて想像してなかったわけで。

図星の俺は、固まってしまって何も言えない。



「え……冗談のつもりで言ったのに…まさか、本当に!?」



最悪。

口に手を当てて白咲から目を逸らす。




「ヤキモチなんてするわけないじゃん」



そしてまた、素直になれなくて。
自分の気持ちとは裏腹に言葉が出てくる。

< 218 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop