言えよ、俺が欲しいって。
「あたしのどこが、面白いの?」
「どこでもいいだろ」
いや、よくないよ七瀬くん。
そこ濁されると困るんだけど!
だって、七瀬くんに褒められたんだよ。
……褒められたのかはわからないけど!
七瀬くんが笑ってくれたもん。
……あー、あたし今一番幸せだ。
それからというもの、会話が途切れて結局無言のままあたしの家に着いた。
「あ、あたしの家ここです!」
「うん」
七瀬くんはそれだけ言って、すぐにあたしから目を逸らす。