言えよ、俺が欲しいって。


「じゃー、まず何から食う?」



最後のデートからなのか。
相川くんはいつもよりも甘くて。

あたしのことが好きだってひしひしと伝わってくる。

自意識過剰とかそんなんじゃなくて。


大切にしてくれてるんだって。

そう思うと、少しだけ泣けてくる。


こんないい人をあたしは、自ら切り捨てるんだ。


今まで散々振り回してきて、自己中すぎる。



それでも相川くんは、


そんなあたしが好きだと、たくさん言ってくれた。


相川くんに応えることはできなかったけれど、たくさんの思い出をありがとうって。


あたしも伝えられればいいなってそう思う。

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