言えよ、俺が欲しいって。


「返事は分かってるからいらない。言いたくなったから言っただけ」



強がりな相川くん。
あたしは、心の中で何度もありがとうを伝える。

伝わってたらいいなって思いながら。



「最後に、名前で呼んでくれない?」



「相川くんを…?」




聞き返すと、小さく頷いた相川くん。




「茜、くん」




「もうずっとそれにしねー?」



茜くんは、ケタケタ笑う。

相変わらず綺麗な横顔してるなーって思いながら。

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