言えよ、俺が欲しいって。


花火は1時間ほどで終わった。
思ったよりも長いものなんだ。


見てるだけでも結構グッたり。



「相川くん、ありがとう」



「茜だって」



「茜くん、ありがとう…!」



「ん」



短い返事が何とも茜くんらしい。

クラスも違うから、きっともう話すことはないだろう。



「じゃーな、モモ」



「うん、またね!ありがとう!」



聞こえたかどうか分からないけれど、相川くんの背中に大声で叫んだ“ありがとう”。



今日で何回言ったのか分からないほどたくさん言った“ありがとう”。


第一印象最悪だし、勝手にキスするしで、強引横暴だったけれど。

それでも一緒にいたのは楽しかった。



だからね、今度は友達として



学校で会ったら挨拶して、たまにはお喋りもして。

またいつか、花火見ようね。

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