言えよ、俺が欲しいって。
「七瀬くん!今日、一緒に帰ってくれてありがとう!」
「勝手についてきたんでしょ。早く中入りなよ」
「また一緒に帰ろうね!」
七瀬くんは、“絶対やだ”と言って歩き出した。
あーあ……行っちゃうのか。
そんなことを思いながら、七瀬くんの背中を見続けていると、七瀬くんが振り向いた。
「白咲」
「ん?」
「じゃあね」
「っ、」
七瀬くんは再び前を向いて、歩き出した。
あたしは、嬉しさのあまりヘニャヘニャと地面に座ってしまう。